「ETCのアカウントが解約される」と届くと、次に高速道路を使うときが心配になりますよね。今回の「解約手続きに関するお知らせ」は、送信元、ログインしていない日数、リンク先の表示に公式情報との相違があり、フィッシングが強く疑われるメールです。メール内のリンクから手続きを進めるのは避けたほうがよい内容です。
『えぞノオト』のマンマユートです。私が先に整理したいのは、この案内が不審な理由と、利用照会サービスの解約がETCカードにどう関係するかです。2026年10月10日に確認した公式情報を基に、操作前の確認方法と、リンクを開いたり情報を入力したりした場合の対応をまとめます。
今回のメールはどこが不審?
メールの件名は「解約手続きに関するお知らせ」、差出人の表示名は「ETC」です。本文では「120日間未ログイン」を理由にアカウントが解約予定だとして、ログインを促しています。実在するサービスの名前を使い、登録を続けるための案内に見せている点が、迷いやすいところです。
送信元として表示されているのは、末尾が「ezweb.ne.jp」のメールアドレスです。ETC利用照会サービスが公表している配信元は「admin@ml.etc-meisai.jp」で、今回の表示とは一致しません。ただし、正規のアドレスを装う不審メールもあるため、アドレスが一致すれば本物という判断もできません。
また、「ETC利用照会サービスログイン」という文字に設定されたリンクのドメインは「website-mile[.]com」です。これは公式サイトの「etc-meisai.jp」と異なります。ここでは誤ってアクセスしないよう表記を無効化しています。リンク先は開いておらず、実際の画面や入力項目、運営者までは確認していません。
受信画面の日時は2025年11月26日10時25分なのに、本文の解約予定日は2025年11月3日です。表示上は、予定日が受信日時より前になっています。日付の不整合だけで詐欺と断定することはできませんが、送信元やリンクの相違と合わせて、正規の手続き案内として扱わない理由になります。
「120日で解約」は公式の条件と違う
2026年10月10日に確認した公式FAQでは、420日間ログインしていない登録者に利用確認の案内を送り、450日間ログインがないユーザーIDの登録が自動解約となります。今回のメールにある「120日間」とは異なります。高速道路を走った日数ではなく、利用照会サービスへのログインが条件になっている点にも注意したいですね。
つまり、長期間ログインしていない場合の案内そのものは実在します。「解約の話があるから全部偽物」とは言えません。一方、本当にある仕組みを説明しているように見えても、そのメールが本人に届いた正規の案内であることまでは証明されません。公式の条件と個別のメールの真偽は別の問題です。
登録を継続したい場合、公式FAQではサービスにログインすれば継続され、ログイン後の特別な操作は不要としています。継続したことを知らせる通知もありません。したがって、疑わしいメールのボタンで手続きを完了させようとせず、普段の公式サイトから登録状況を確かめる方法が適しています。
利用照会の登録解約でETCカードは止まる?
ここは、メールを読んで焦りやすい部分です。ETC利用照会サービスの登録が自動解約になっても、それによってETCカードの利用が止まるわけではありません。利用明細などを確認するサービスの登録と、カード会社とのETCカードの契約は区別して考える必要があります。
公式サイトも、利用照会サービスの登録取消しはETCカードの利用に影響しないと説明しています。ただし、カードそのものの有効期限や利用停止などはカード会社との契約に関わります。このメールを理由にカードが使えなくなるとは言えませんが、個々のカードが必ず利用可能だと保証するものでもありません。
利用照会サービスが自動解約された場合は、再登録によって再びサービスを利用できます。カードに関する心配はカード会社へ、照会サービスの登録状況はその公式窓口へ、と相談先も変わります。「アカウント解約」という言葉だけで、カード契約まで失うと思い込まなくて大丈夫です。
マンマユート私なら、「何の登録が解約される話なのか」を先に確かめます
確認するならメールから離れて公式サイトへ
まだリンクを押していない場合は、メールに返信したり、ログインボタンを押したりする必要はありません。登録状況が気になる方は、以前から使っている公式サイトのブックマークなど、メールとは別の経路からETC利用照会サービスを開きます。メールの中にある「公式サイト」という文字は、アクセス先の保証にはなりません。
検索で探す場合も、検索結果の名称だけでなく、アクセス先のアドレスを確かめたいところです。公式トップページからログインへ進むと、公式のログインページに移れます。見慣れたロゴや画面だけで判断せず、今回のメールで案内された外部サイトには戻らないようにしましょう。
登録した覚えがない方は、不審な案内を受け取ったからといって新たに登録する必要はありません。公式は、利用照会サービスに登録していない方へメールを送ることはないと説明しています。なお、宛先に自分のメールアドレスが書かれていることだけでは、正規の登録者向け案内とは判断できません。
リンクを開いた場合と情報を入力した場合
すでに操作した場合は、何をしたかで対応が変わります。ページを表示しただけなのか、IDやパスワードを入力したのか、カード番号まで入力したのかを思い出してみてください。リンクを開いたことだけで感染や不正利用を断定することはできませんが、そのまま画面の指示に従うのは避けたいところです。
画面を開いただけで、情報入力やダウンロード、通知の許可などをしていない場合は、追加操作をせずページを閉じます。公式も、偽のログイン画面に似たページで認証情報を入力しないよう注意しています。「安全確認のため」と表示されても、その画面で個人情報を追加しないことが大切です。
IDやパスワードを入力してしまった場合は、公式サイトを別の経路から開き、該当サービスのパスワードを速やかに変更します。同じパスワードを使い回しているサービスも変更対象です。不審な利用履歴がないかを確認し、ログインできない場合や登録情報が変わっている場合は公式のサポート窓口へ相談します。
カード番号、有効期限、セキュリティコードなどを入力した場合は、カード会社の紛失・盗難窓口へ速やかに連絡します。利用停止や再発行の必要性を相談し、請求が出るまで待たないようにします。ワンタイムパスワードなどの認証情報も入力したなら、その内容を併せて伝えてください。
通知を許可した、ファイルを実行した、アプリを導入した場合は、単にページを閉じただけとは状況が異なります。何を許可・実行したかを記録し、端末やブラウザーの公式サポートへ相談する必要があります。仕事用の端末であれば、自己判断で操作を重ねず管理者に状況を伝えると対応につながります。
報告と被害相談は目的に合わせて
不審メールの情報提供は、フィッシング対策協議会の「フィッシングの報告」で受け付けています。公式ページにはWebフォームと電子メールでの報告方法があり、メールの場合はリンクをクリックせず転送する方法が示されています。報告するなら、件名や受信日時を含む原文を残して、窓口の案内に沿って進めます。
2026年10月10日に確認した報告ページでは、迷惑メールフォルダーに入ったメールは報告不要とされています。また、報告の受付と、入力した情報を守るための対応は別です。情報を入力した場合は、報告だけで済ませず、サービスやカード会社など該当する窓口への連絡を優先します。
実際に不正利用などの被害が発生している場合は、お住まいの地域の警察のサイバー犯罪相談窓口も相談先になります。その際に説明できるよう、入力した情報の種類、操作した日時、不審な請求などを整理しておくと役立ちます。証拠を保存するために、危険なページを再び開く必要はありません。
今回のメールでは、公式と異なる日数や送信元、外部ドメイン、日付の不整合が重なっています。私は、期限に合わせようと急ぐより、メールから離れて登録状況を確かめるほうが安心だと考えます。まだ操作していなければ、利用しているメールサービスの迷惑報告機能などを使い、必要な保存を済ませてから削除するところから始められます。





