食料品の消費税が8%から1%になると、毎月の食費はどのくらい変わるのでしょうか。2026年10月9日配信の朝日新聞は、政府が食料品の消費減税と就業者負担軽減支援金を盛り込んだ法案を閣議決定したと報じました。ただ、閣議決定と法律の成立は別で、支援金の受給額もまだ個別に計算できる段階ではありません。
『えぞノオト』のマンマユートです。私は、制度の大きな数字より先に「いつから」「何が対象」「自分はいくら助かるか」が気になります。2026年10月9日時点で閲覧できた国税庁の説明資料と9月15日の大綱をもとに、減税案の内容、条件付きの家計試算、支援金で今後決まる部分を整理します。
閣議決定で減税が確定したわけではありません
10月9日の報道が伝えているのは、政府が法案を決めたという段階です。国税庁の特設サイトにも、掲載内容は法案が国会に提出され、審議を経て可決・成立した場合のものだと明記されています。政府の方針が示されたことと、買い物に新しい税率が適用されることには、まだ距離があります。
今回閲覧できた公式資料では、9月15日に閣議決定された大綱と、それに基づく改正案の説明を確認しました。一方、10月9日の法案の閣議決定そのものについては、公式の案件一覧や法案本文による確認には至っていません。この記事では、その部分を朝日新聞の報道として扱い、成立済みとは書き分けます。
ニュースに「決定」とあると、来春の家計がすぐに見通せたように感じますよね。ですが、審議で内容が変わる可能性や、施行までに必要な準備もあります。開始予定日と対象品目は案として把握し、法案の成立と最終的な内容を見てから、確定した制度として考える順番になります。
食料品の消費税1%はいつから何が対象になる案?
国税庁の説明資料が示す期間は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間です。対象は、8%の軽減税率が適用されている飲食料品と同じ範囲とされています。消費税全体を1%にする案でも、期限なく食料品の税率を下げ続ける案でもありません。
普段の買い物では、スーパーの食品や酒類を除く飲み物、持ち帰りの弁当などが対象の中心になります。外食や酒類は対象外です。同じ飲食店でも、店内で食べるか、持ち帰るかによって扱いが違うため、「食べ物だから全部1%」という覚え方では迷ってしまいます。
また、軽減税率8%の対象には一定の新聞の定期購読もありますが、今回の1%への引下げ案は飲食料品についてのものです。新聞まで同じように1%になるわけではありません。対象を判断する軸は、8%という数字だけでなく、その商品や取引が飲食料品の対象範囲に入るかどうかです。
8%から1%でも税込価格が7%下がる計算ではない
税率は7ポイント下がります。ただし、これは税込価格から7%を引くこととは違います。税抜価格が1,000円の食品なら、8%では税込1,080円、1%では税込1,010円です。差額は70円で、もとの税込価格1,080円に対する下落率は約6.48%になります。
計算式は、税抜価格が変わらない場合の新しい税込価格=もとの税込価格×101÷108です。差額は、もとの税込価格×7÷108で求められます。家計簿の食費は税込額で記録することが多いので、私はこの形のほうが実際の支出に当てはめやすいと感じます。
この試算では、税率の違い以外の値上げや値下げを入れていません。原材料費や物流費の変動、店の価格設定、購入量の変化があれば、実際の支払額は変わります。減税案が成立しても、すべての商品が試算どおりの金額になることを保証する計算ではありません。
月5万円の対象食品を買う家庭なら差額は約3,241円
月の食費が税込5万円なら、単純計算では新しい支払額は約4万6,759円、差額は約3,241円です。ただし、5万円のすべてが8%から1%へ変わる対象食品で、税抜価格と買う量が同じという仮定です。外食代や酒代まで含めた食費全体に、この割合を掛けることはできません。
同じ税込額の対象食品を毎月購入すると仮定した例を並べると、支出額に応じた差が分かります。年額は月の差額を丸める前に12倍したもので、支援金は加えていません。実際の買い物では商品ごとの端数処理などによっても多少の違いが出ます。
| 月の対象食品支出(税込) | 月の差額 | 年の差額 |
|---|---|---|
| 30,000円 | 約1,944円 | 約23,333円 |
| 50,000円 | 約3,241円 | 約38,889円 |
| 80,000円 | 約5,185円 | 約62,222円 |
家計への影響を見たいときは、直近1か月の食費から外食と酒類などを外してみると、試算に使える金額が近づきます。日用品を一緒に買ったスーパーのレシートも、合計額すべてが対象とは限りません。食費の総額と、税率が変わる対象食品の支出額を分けるところから始められます。
就業者負担軽減支援金は誰でも同じ額をもらう制度?
9月15日の大綱は、就業者負担軽減支援金を、中低所得の働く人に着目した個人単位の制度として設計しています。所得や税・社会保険料の負担などに応じて給付を行う方向で、全国民や全世帯に同額を配る仕組みではありません。
給与だけでなく、一定の事業所得などを勤労所得に含める考え方も示されています。ただし、所得の下限・上限や、具体的な支援額は今後定める部分があります。「会社員だから対象」「自営業だから対象外」と職業名だけで判定できず、働いているだけで受給が確約されるわけでもありません。
2027年度と2028年度の先行実施については、大綱に別の取扱いがあるため、2029年度以降の条件をそのまま当てはめることにも注意が必要です。家族構成に応じた加算の考え方もありますが、金額が決まらないうちに「子どもがいれば何万円」と補うことはできません。
「中低所得者」という言葉だけでは、自分の年収がどこに入るか分かりにくいですね。今後の案内では、給与収入なのか所得なのか、何年分を使うのか、本人以外の条件も関係するのかを見る必要があります。減税の差額は仮定を置いて試算できますが、支援金を足した家計の実額は、まだ出せません。
マンマユート私は、減税による試算額と、まだ決まっていない支援金を別々に考えておきます
約6千億円は一人当たりの給付額ではありません
朝日新聞の記事にある約6千億円は、先行導入する制度全体の規模を示す数字です。大綱でも、2027年度と2028年度の支援金全体の費用を、飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲にする考え方が示されています。これは、一人が受け取る額ではありません。
また、自分が食品購入時に払った1%分の税を、そのまま払い戻すという意味でもありません。買い物の税率変更と、所得などに応じた給付は、計算の仕組みが異なります。対象人数も個人ごとの給付額も確定していない段階で、総額を人口で割って「一人いくら」とする計算はできません。
制度の説明で「実質ゼロ」といった表現に触れても、全員のレジでの税率が0%になることとは区別したいところです。減税案の税率は1%で、給付には受給条件があります。買い物にかかる税額と支援金をどう組み合わせるかによって、家庭ごとの負担軽減の大きさが変わります。
財源が未定というニュースはどう読めばいい?
大綱には、特例公債に頼らず、歳出・歳入の見直しなどで財源を確保する方向が書かれています。一方、それぞれの財源をいくら充てるかという具体的な内訳と、確保の方針は別です。財源の考え方があることを、必要額の手当てがすべて終わったことと受け取ることはできません。
2年間の減税に使う財源と、2029年度以降の支援金に継続して使う財源にも違いがあります。一時的な措置を支えるお金だけでなく、制度を続けるためのお金をどう確保するかが論点になります。報道の「財源未定」は、方針さえ何もないという意味に広げず、具体化がどこまで進んだかを見ると理解しやすくなります。
家計への影響を考える側としては、減税額と給付額を先に確定収入へ組み込むより、成立後の条件を待つ余地を残したいと思います。今できる小さな準備は、対象食品の支出を把握することです。そのうえで、法案の成立、支援金の所得基準と金額、支給時期・手続の案内が出たときに、自分の条件と照らし合わせていけます。





