「パスキー認証が必須になり、未設定だと取引できなくなる」。証券会社からこんなメールが届くと、口座を守るために急いで設定したくなりますよね。ただ、今回の「【重要】パスキー認証の必須化について|マネックス証券」というメールは、公式案内と食い違う点があり、フィッシングを強く疑う内容です。
『えぞノオト』のマンマユートです。2026年10月25日9時3分に届いたメールについて、マネックス証券の公式情報を別経路から調べました。パスキーという仕組みは実在しますが、それを案内するメールまで本物とは限りません。今回気になった点と、操作した状況ごとの対処を整理します。
今回のメールは公式案内とどこが違う?
判断の中心になるのは、送信者の名前よりも、公式の運用との違いです。今回のメールには「2026年10月25日から必須化する」「リンクから登録状況を確認する」という案内があります。しかし、2026年10月25日に確認した公式情報とは、実施時期もメールの案内方法も一致していません。
| 確認項目 | 今回のメール | 確認した公式情報 |
|---|---|---|
| 必須化の時期 | 2026年10月末の予定を10月25日に前倒し | 2026年6月30日をもって必須化したと告知 |
| パスキー案内のリンク | 本文中のリンクから確認・登録を促す | パスキーに関する案内メールにはURLリンクを記載しないと説明 |
| 表示された送信元 | マネックス証券という名前と、別のドメインのアドレス | 表示名だけでは送信者の確認にならない |
特に重要なのは、公式がパスキー案内メールにURLリンクを記載しないと明示している点です。今回のメールは、登録状況の確認を理由にリンクへ誘導しています。このメールからログインや登録を進めるのは避けたいところです。
実際のリンク先やメールの詳細な認証結果は確認していないため、送信経路や誘導先の正体までは断定できません。それでも、公式の説明との明確な食い違いがある以上、正規の手続き案内として扱わず、普段使う公式サイトから確認する判断が適切です。
「本日から使えなくなる」で急がせる内容
メールでは、不正アクセスによる被害を理由に実施時期を前倒しすると説明しています。さらに、受信日と同じ2026年10月25日を登録期限にし、未設定ならログインと各種取引が利用できなくなるとしています。口座のある人ほど、確認する前に手続きしたくなる組み立てですね。
ただし、この日付はメールに書かれた主張です。受信者に適用される正式な期限として確認できたものではありません。公式の必須化案内は2026年6月30日を実施時期としており、今回の「10月末から前倒し」という説明を裏付けることはできませんでした。
「無料」「約3分」「口座を守るため」といった言葉も、安全性の証明にはなりません。正規のサービスで使われる説明を、不審な案内が取り入れることはあります。私なら、期限の短さを見て操作を急ぐより、公式のお知らせに同じ内容があるかを先に見ます。
送信者名と公式らしいURLだけでは判断できない
送信者欄には「マネックス証券」とありますが、表示されたアドレスのドメインは「pengmengai[.]com」でした。会社名が表示されていることと、その会社から届いたことは別です。このアドレスは不審な点の一つですが、アドレスの見た目だけで真偽の判断を完結させないことも大切です。
メール本文には、公式サイトらしく見えるURLも書かれています。ただ、画面に表示された文字列と、クリックした際の実際の移動先が同じとは限りません。今回のメール本文だけでは、リンクに設定された実際の宛先は確認できません。確認のためにリンクを開く必要もありません。
署名、罫線、管理番号、配信停止の案内がそろっていても、それだけで本物にはなりません。配信停止リンクも含め、このメール内の導線は使わずに済ませるのが無難です。また、画面上の「認証情報」という見出しだけでは、送信ドメイン認証に成功したかどうかも分かりません。
マンマユート私なら、メールをいったん閉じて、いつもの入口から口座を確認します
パスキー自体は実在する安全対策
今回のメールが不審だからといって、パスキーそのものを避ける必要はありません。マネックス証券は実際にパスキー認証を導入しています。スマートフォンやパソコンの指紋認証、顔認証、PINコードなどを利用する仕組みで、公式にはパソコンで利用できる環境についても説明があります。
公式の案内では、パスキーの登録や削除などは「登録情報照会」画面から行います。また、パスキーを利用するための専用アプリのダウンロードは不要とされています。メールから別のアプリを入れるよう求められた場合は、その場で進めず、公式の利用方法との違いを確かめたいところです。
登録状況が気になる場合は、以前から使っている公式サイトのブックマークなどからアクセスし、口座内の案内を確認します。機種変更や端末の紛失でログインできない場合も、メール内の「解除」「再登録」へ進むのではなく、公式FAQやサポートから対応方法を探す流れになります。
メールを見ただけなら、リンクから手続きしなくて大丈夫
メールを受信して読んだだけで、リンクを開いたり情報を入力したりしていない場合、この案内に従って何かを登録する必要はありません。返信して本物かどうかを尋ねることも避けましょう。口座を持っていない人も、登録状況の確認や配信停止のためにアクセスする必要はありません。
リンクを開いた場合は、その先で何をしたかが重要です。ページを表示しただけなのか、IDやパスワードを入力したのか、ファイルを保存・実行したのかで対応が変わります。クリックしただけで必ず感染したとも、入力していないから何も起きていないとも、一律には言えません。
- 受信・閲覧のみ:メールのリンクを使わず、必要なら公式サイトで案内を確認
- リンクを開いた:入力や追加操作を止め、ダウンロードや権限許可の有無を確認
- 認証情報を入力した:公式の別経路からパスワード変更や口座保護の対応へ
- アプリ導入やファイル実行をした:操作内容を記録し、端末側の対処も相談
IDやパスワードを入力した場合は口座の保護を優先
不審なページへログイン情報を入力した場合は、メールとは別の経路から公式サイトへアクセスし、速やかに対応することが大切です。マネックス証券は、不正アクセスの可能性がある場合、ログインパスワードと取引パスワードの変更、第三者によるパスキー登録の確認と削除を案内しています。
身に覚えのない取引や登録変更がないかも確認し、不正利用が疑われる場合は、公式サイトに掲載された問い合わせ窓口へ相談します。公式には、利用者自身で取引やサービスを一時停止する方法も案内されています。ログインできない場合は、復旧方法を探し続けるより、窓口への相談を優先したい状況です。
ワンタイムパスワードを入力した、認証要求を承認した、本人確認書類を送った場合は、その内容も相談時に伝えます。メールを削除する前に、受信日時や行った操作を残しておくと説明しやすくなります。第三者へ公開する際は、宛先メールアドレスや口座情報が写り込まないよう注意が必要です。
口座を守る確認は、普段の入口から
今回のメールで見逃したくないのは、公式と異なる必須化の日付と、パスキー登録へ誘導するリンクです。「パスキー」という実在の言葉が使われていても、それだけで案内を信用することはできません。受信したメールを起点にせず、普段の公式サイトから必要な設定を確認する方法が安心につながります。
未操作なら、利用中のメールサービスの迷惑メール報告機能などを使い、必要な確認を終えてから削除する対応が考えられます。すでに情報を入力した場合は、削除より口座保護を先に。2026年10月25日に確認した公式情報を基に、操作した段階に合う対応を選んでいきましょう。





