灯油が1リットル155.2円、さらに190円になる恐れもある。暖房を使う季節にこの数字を見ると、冬の支払いが気になりますよね。ただ、報道の平均価格と、将来の価格への懸念は意味が違います。北海道だけで何が起きているのか、分けて整理しました。
『えぞノオト』のマンマユートです。2026年10月13日のUHB報道に加え、道生協連やコープさっぽろの公表資料を確認しました。この記事では2026年10月16日確認時点の情報をもとに、値上がりの背景、家計への影響、購入前の確認点をまとめます。
灯油の平均155.2円は、どの価格?
2026年10月13日のUHB報道では、北海道の灯油配達価格の平均が1リットル155.2円となり、前の週から7円上がったと伝えています。ここで扱われているのは配達価格です。自分で容器を持ち込んで買う場合の価格と、そのまま比較しないようにしたいところです。
ただし、同記事本文だけでは、この平均の調査日や対象店舗、集計方法までは読み取れませんでした。155.2円を北海道内の全販売店に共通する価格や、名寄市で必ず買える価格として使うことはできません。記事配信日と価格の調査日も、同じだと決めつけないようにします。
別の一次情報として、北海道生協連の灯油価格一覧には、2026年10月1日時点のコープさっぽろの税込価格が掲載されています。札幌は159円、旭川と釧路は160円、函館は161円でした。平均値と個別の販売価格が違うこと自体は、不自然ではありません。
同一覧では、札幌の9月価格は144円、10月価格は159円で、差は15円です。報道の前週比7円とは、対象も比較期間も違います。どちらかが誤りという話ではなく、何を、いつと比べているかで値上がり幅が変わるということですね。
北海道だけの高騰?生協側が指摘する流通の問題
北海道で価格急騰が起きている背景について、道生協連側は原油価格だけでは説明できない流通上の問題を訴えています。2026年10月12日のコープさっぽろの公表資料では、仕入価格の急騰と供給制限への懸念を挙げています。
具体的には、商社経由の輸入灯油の調達が難しいこと、元売り各社の出荷制限、他県から灯油を融通するルートの制約です。全国に灯油が全くないという説明ではなく、北海道へ必要な量が届くまでの仕組みに問題があるのではないか、という訴えと捉えると分かりやすくなります。
ここで気をつけたいのは、「北海道限定」という表現も、生協側が公表している現場認識だという点です。今回確認した資料だけで、全国すべての地域の同時点・同条件の価格を比較したわけではありません。他の地域では値上がりしていない、とまでは断定できません。
また、原因に関する生協側の説明と、国の調査で確定した結論は分ける必要があります。流通の制約がどの程度価格へ影響しているか、関係事業者がどう説明しているかについては、追加の検証が必要です。値上がりを一つの原因だけで説明するのは、まだ慎重に考えたいところです。
1リットル190円になると決まったわけではない
UHBの10月13日の記事では、道生協連の会長が今後1リットル190円になることへの懸念を述べています。これは、その記事で北海道の平均価格が190円に決まったと発表しているものではありません。155.2円という報道値と、190円という先行きへの警戒を混同しないことが大切です。
その後の生協側の署名案内には、190円台という価格に言及した記述もあります。ただし、仕入れと販売、店頭と配達などの条件が十分にそろわないまま、155.2円と同じ指標として比較することはできません。この記事では190円を、負担を考えるための仮定にも用います。
マンマユート私が予算を考えるなら、値上がりの見通しと、販売店から届いた価格改定通知を分けて見ます
家庭への負担は?購入量をそろえて計算
気になるのは「うちだといくら増えるのか」ですよね。そこで、報道の155.2円と、仮に190円になった場合を、同じ購入量で計算しました。価格が期間中ずっと一定で、同じ条件で買うという単純計算です。冬全体の予測や、実際の請求額を示すものではありません。
| 購入量 | 155.2円/Lの場合 | 190円/Lの場合 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 18リットル | 2,793.6円 | 3,420円 | 626.4円 |
| 100リットル | 15,520円 | 19,000円 | 3,480円 |
| 200リットル | 31,040円 | 38,000円 | 6,960円 |
| 400リットル | 62,080円 | 76,000円 | 13,920円 |
計算式は「1リットル当たりの価格×購入量」です。差額は「190円−155.2円=34.8円」に購入量を掛けています。18リットルなら626.4円、100リットルなら3,480円の違いです。購入量が多くなるほど、数十円の単価差が大きな支払い差になります。
前週比7円の値上がりだけを取り出しても、100リットルで700円、400リットルで2,800円の負担増です。ただし、400リットルは計算用に置いた量で、一般家庭の標準使用量ではありません。住まいの広さ、断熱性、暖房や給湯の使い方によって必要な量は変わります。
家計の見通しを立てるなら、ニュースの平均使用量を探すより、手元の前年同時期の伝票を使う方が自分の暮らしに近づきます。前年の購入量に候補の単価を掛ければ、ひとまずの予算になります。気温や使用量の変化、別途の配達料、請求時の端数処理などは、この計算に含めていません。
国への緊急要請と、決定した支援策は別
今回の緊急要請は、販売価格を下げてほしいという要望だけではありません。10月13日の要請行動を案内した公式資料には、道内への出荷制限の解除や優先供給、他県からの広域流通の制約解消などが盛り込まれています。
価格を抑える支援と、必要な灯油を届ける仕組みの両方を求めている点が、このニュースの大きな論点です。さらに、寒冷地向けの緊急価格安定措置や、福祉灯油への財政支援も要請しています。供給への不安と家計負担は、別々に扱いながら対応する必要があるという内容です。
要請されたことと、制度の導入が決まったことは別です。今回閲覧した要請資料からは、新たな支援の給付額、対象世帯、申請開始日までは確定できません。福祉灯油という言葉が出ていても、自分の自治体で誰でも受け取れると考えず、自治体の正式な案内を待つ必要があります。
生協側は、2026年10月15日から緊急署名運動を始めると公表し、第1次の集約期間を10月31日までとしています。紙とウェブでの受付を案内していますが、参加はそれぞれの判断です。関心がある方は、生協の公式案内で趣旨や受付期間を確かめられます。
注文前は単価と配達条件を一緒に見よう
販売店を比べるときは、単価だけでなく購入方法もそろえたいところです。北大生協の2026年10月1日受注分からの案内では、税込で定期配達159円に対し、小口配達は2缶以上で169円でした。同じ窓口でも、利用形態によって単価が異なる具体例です。
この例では18リットル当たりの差は180円です。ただし、北大生協の定期配達には利用対象や口座振替などの条件があり、誰でも同じ契約を選べるわけではありません。安い方の数字だけを取り出して、別の地域や販売店にそのまま当てはめることはできません。
注文前に聞くなら、税込単価、配達料の有無、最低注文量、価格が決まるタイミングの四つが実用的です。注文日と配達日のどちらの価格を使うかは、販売店の条件によります。定期配達を利用している場合も、価格改定の案内と実際の給油伝票を照らし合わせると支出が分かります。
名寄市で購入する場合も、札幌や旭川の価格を自分の契約価格と置き換えず、利用中の販売店の案内を基準にしたいですね。まずは直近の伝票から単価と購入量を拾う。それだけでも、報道の大きな数字を、自分の冬の予算へ落とし込むことができます。





